ゴナに一番近いデジタルフォントを考える

2017年03月30日

フォントブログ, 書体比較


ゴナは1975年に中村征宏さんによって作られた、一世を風靡したモダン角ゴシック体です。書体名は「ゴシック」「ナカムラ」が由来のようです。

1970年代生まれの私はギリギリ知っているレベルです。なので私より若いデザイナーはゴナを知る由もなく、街でゴナを見ても類似のモダン角ゴシックである新ゴだと思う人は多いと思います。

ゴナと新ゴ、それぞれの書体を比較するとやはりゴナのほうがバランスが良い。「あ」の2画目の位置とか「る」を見比べると良く分かります。

ゴナの特徴は三角目と四画目が繋がっている「な」でしょう。ゴナ以前でここが繋がっている書体は「タイポス」位しか思い浮かばない。(佐藤敬之輔さんがここが繋がっている書体を作られたという話を聞いたことがありますが確認できていません。)ちなみにゴナを作られた中村さんはタイポスに影響されているとの事。

「な」という字の形は、どこか人の顔に似ていて三角目の点は眉毛に見えてきます。なので右上がりの点だと怒った顔、右下がりだと優しい顔に見える時がある。タイポスやゴナはここが横線になっているのがとてもクール。

話を本題に戻しまして、ゴナに一番近いデジタルフォンはやっぱり新ゴなんでしょうかね。 ヒラギノAD(AD=アド=広告用?)も近いしバランスもいいのですが、「な」のあそこが繋がっていないのが残念。

TA風雅角ゴシック、LSN太角ゴシック、SN角ゴは、作品著作権的にグレーな感じがするので割愛させていただきました。