◉しっぽり明朝は商用・同人誌利用可能の明朝体フリーフォントです

しっぽり明朝は、石井中明朝体OKLやリュウミンKO、A1明朝、筑紫Aオールド明朝等に影響を与えた、東京築地活版製造所の名作書体である五号系活字を下敷きに、物静かで上品で、見ているだけでうっとりするような明朝体を目指して制作した、オールドスタイル明朝体フリーフォントです。
どんな方でも制限なく自由に使えるハイクオリティな本文用明朝体をお届けしたいと考え、こしらえました。フォントを単体で販売したりライセンスを変更する以外は商用でも個人利用でもおおよそ自由に使えるSILオープンフォントライセンスのフォントです。

◉本文用Regularウエイトを含め全5ウエイトの“新しっぽり明朝”

ヴァージョン3は“新しっぽり明朝”と謳ってもいいかもしれません。
それまで開発で使用していたフォント制作ソフトをFontforgeからGlyphsに変更し、字形やパスを全文字見直し、Regularウエイトを含め全5ウエイト、従属欧文、記号、約物を新規制作しました。太いウエイトを追加したことで、本文書体だけにとどまらず、タイトルやディスプレイ用にも幅広くお使いいただけると考えています。

◉濁点仮名を収録

濁点喘ぎ(汗喘ぎ/汗濁喘ぎ/濁音喘ぎ)ができる。ハートマークにも濁点がついています。
源暎こぶり明朝源暎ちくご明朝とも互換性のある実装となっておりフォント切り替え可能です。堂捺 餡さんが作られた「しっぽり明朝外字簡単入力ツール」で簡単にコピペ入力できます。

◉漢字は「源流明朝」のものを14,828字収録

漢字は「源流明朝」という「源ノ明朝」派生フォントのものをエッジに丸みを加えて収録し、文字を拡大しても違和感のないようにしています。
源流明朝、源ノ明朝にExtra Boldがないため、漢字のみBoldとExtra Boldは同一のものになっています。
なお、「源流明朝」の作者であるbutさんのご厚意によりOTFマスターデータをいただき、それを加工しています。

◉ボケ足を追加した「しっぽり明朝B1」という別ヴァージョンも提供

写植で印刷した時代によくあった、画線の交差部分にのボケ足(墨だまりとも言われています)を再現した別ヴァージョン「しっぽり明朝B1」も提供。
やわらかく温かみを感じさせる表現ができると考えます。

◉異体字・別字形を収録

一部の仮名や漢字で、異体字・別字形を収録しています。
デザイナーさんの好みやこだわりで、書体の印象を変えることができます。デザインを楽しんでいただきたいという思いで収録しました。

異体字・別字形はOTFのデザインの見た目を切り替える機能「Stylistic Sets」(※最大20種類まで作れます。ss01–ss20)で設定しています。InDesign、Illustrator、Photoshop等のAdobe系のDTPソフトやテキストエディット、PagesなどOSX標準のタイポグラフィパネルを使用 できるソフト、XeLaTeX 、LuaLaTeX等OTF機能にアクセスできる組版ソフトで利用できます。

◉様々なヴァリエーションの感嘆符、疑問符

昔は斜めの感嘆符が人気でしたが、DTPに移り変わってから全く見かけなくなりました。
しっぽり明朝は当時の誌面の再現にこだわり、デフォルトの感嘆符は斜めのデザインにしています。もちろん垂直の感嘆符も収録していますので、字形パレット等で切り替えることができます。

※この組見本は、大阪の組版屋「はあどわあく」の大石十三夫さんに作っていただきました。
組見本PDFファイル

Wordや一太郎をお使いの方はTTF版フォントファイル、IllustratorやInDesignをお使いの方はOTF版ファイルをお勧めします。TTF版はGoogle Fontsでダウンロードできます。