石井中明朝体OKLに一番近いデジタルフォントを考える

2017年03月28日

フォントブログ, 書体比較


私は、石井中明朝体OKLが大好きです。 80年代の雑誌や広告などで、このかながツメ組みされているのを見るだけでもうっとりしてしまいます。

OKL(MM-OKL)は写研の創業者である石井茂吉さんが、東京築地活版製造所の12ポイント活字を模した書体です。 同じ築地活版の五号活字がルーツといわれています。

しかし、写植の書体なのでデジタルフォントとして利用できません。 ならば一番印象が近い他社のデジタルフォントは何か比較して考えてみました。

人気のA1明朝はとても似ているのですが、「た」や「か」が意図的に似せないように作り変えている感じがして、しかもOKLのスマートな洗練さが失ってしまっています。

筑紫Aオールド明朝はインパクトがあって好きなのですが、ちょっと癖があるし、

游明朝体は五号かなも好きなのですが、ぱきっとしているというか、OKLのしなやかさがないし、

本明朝新がなはOKLに似ているといわれるけど比較したらぜんぜん似ていない。

やはり、リュウミンMKOでしょうか。 雑誌等でOKLの代用としてよく使われているみたいです。

【追記】
上の記事を書いた8ヵ月後の2017年10月に私自身も五号系活字をベースに「しっぽり明朝」をつくりました。(上の図にも追加)フリーフォントとして公開しています。